まいものゆとり戦記

営業職まいもの、日々つれづれ。ゆとりが社会の荒波に立ち向かうゆとり戦記、ならぬ雑記ブログです。

【おすすめ漫画】大人がハマる漫画!BLUE GIANT(ブルージャイアント)の玉田にグッとこないヤツはいない

漫画『BLUE GIANT(ブルージャイアント)』のサブキャラクター、「玉田」の魅力について語ります。ブルージャイアントは、脇役がみんなイイんです。ちょい役のおやじですらイイんですよ。その中でも玉田は光ってます。ピッカピカ光るんではなく、じんわりと灯るような感じなんですよ。この漫画は、1等星の主人公と、そのまわりで灯る人達の物語です。

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BLUE GIANT(ブルージャイアント)』とは?

宮本大(だい)という青年が、ジャズでBIGになるまでの軌跡を追ったお話です。この物語の魅力は、泥臭い努力と、それが色んな形ですこしずつ認められていく過程にあります。ジャズというマイナーとも言えるジャンルで、他人に自分の魅力を認めさせていく、その姿が心に響くんですよ。

 

何も「持っていなかった」普通の青年が、地道な努力をする姿が心に響く

この物語は、すでに「持っている」人の話ではないんですよ。何も持っていない状態から始まるんです。大はサックス奏者なのですが、サックスを始めたのは高校3年生の時です。バスケ部だった大が、ひょんなことからジャズという音楽に出会うのです。そこから世界を獲りに行こうと、本気で努力するんです。進学もしません。ただ、ひたすら毎日毎日、サックスを河原で吹くのです。自分は必ずBIGになれると信じて疑わず、ただまっすぐに努力を重ねるんです。この地道な努力。これが丁寧に描かれているので、否が応でも感情移入してしまうんです。少年漫画よろしく、「修行に出た!課題に苦戦したがレベルアップ!新しい技が使えるようになった!」みたいな努力の描かれ方ではなく、ただ「毎日、朝から晩まで全力で練習する」といった、誰でも手が届きそうなシンプルな努力なのです。それをコツコツと積み重ねていくんです。

だからこそ、感情移入できて、登場人物達の努力が認められた時に、グッとくるものがあるのだと思います。努力が認められるエピソードも、華々しい成功をもって認められるわけではないんですよ。出来事としては、ほんの小さなことなんです。なのになんでこんなにグッとくるものがあるんだろうってくらい、心に響くんですよね。

 

ただ、大は始めは何も持っていませんでしたが、実は「磨けば光るもの」を「持っている」人だったのです。ここが玉田と大の違いです。

 

玉田って何者?

玉田とは、言ってしまえば脇役です。4巻くらいまで出てきません。大の高校の友達で、東京の大学に進学をした上京仲間です。東京に出てきたが金無し、家無し、ビンボーボーイの大は、玉田の家に転がりこみ、居候となります。玉田は大同様、楽器などこれまで触れたこともないサッカー部出身の青年でした。ですが、大と暮らすなかで、ジャズが好きで、サックスが好きで、ひたむきに努力を重ねる大の姿に羨ましさを感じ、自分も何かに打ち込みたいと思い始めます。そして、音楽の、ジャズの世界に足を踏み入れるのです。

 

大と玉田の違いについて、先ほど「大は磨けば光るものを持っていた」と言いました。その言葉を紐解くと、「玉田は光るものを持っていなかった」と読み替えられます。そうです。玉田は「光る才能の無い、普通の人」なんです。そして、それこそが、玉田に惹かれる最大の理由なんです。

 

才能ある仲間の中で、素人がただただ努力をする。等身大の玉田に感情移入しないヤツはいない


大と同様、玉田も努力をします。精一杯。大やもう1人の仲間である雪祈に追いつこうと、足をひっぱらないようにと、必死に。「俺は努力している」なんて玉田は言いません。ただ、陰で黙々と努力を重ねるんです。その姿が心を打つんですよ。

ただ、世は無情で、努力=成功ではないんですよね。もちろん、努力無くして成功はありませんが、皆努力をする前提の中で成功するに当たってのキーポイントは、「磨けば光る才能があるか」なんですよね。

大はには成功するための才能があります。まず、心の持ちようからして、常人ではないんです。壁につきあたる雪祈に対し、大が何という言葉をかけたと思いますか?「辛いこともあるけど、お前は大丈夫だよ。頑張ろうぜ」的なことでしょうか。
否。大さんは違います。大さんは「お前ヤバイな。ヤバイどころか話になんねぇわ。オレはヘタでもクソでも、サックスを吹くときは1分1秒、いつでも、(オレが)世界一だと思って吹いてる。なのにお前はソロをどう演るかで悩んでる。次元が違いすぎて話になんねぇ。お話になんねぇべ?そもそも悩むこと自体おかしいだろ。お前に悩む時間あんの?悩んでる時間あるんすか?ねぇ。」ってなことを言ってのけたんです。ちょっとサイコなくらい、自信と信念に満ち溢れた、大さんにしか言えない言葉ですよね。まぁ、これは大と雪祈の間柄だからこそ言える、「頑張ろうぜ」というメッセージなのかもしれませんが。大は、同じことを玉田には絶対に言わないでしょうしね。大が玉田にはそんなこと言わない、その事柄自体が、「玉田には才能がない」ということを表しているんです。

 

努力しても実らないことがある。誰しもが人生の中でそれを思い知る瞬間は、多々あったと思います。だからこそ、玉田に惹かれ、応援したくなるんだと思います。
玉田を応援することは、私たちが今までに、または今している努力にエールを送る心持ちなんでしょうね。

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ブルージャイアントの中で一番好きなシーン


玉田の努力が認められた瞬間です。小さなエピソードなんですけど、グッと感動する場面があるんです。大には大の、雪祈には雪祈の、グッとくるエピソードがあるのですが、玉田のエピソードが一番好きでした。
どんなエピソードなのかは、是非、ブルージャイアントを読んで探してみてほしいです。